本日のスピーカーの森松明希子さんは、
「自主避難者の2年間」と題して、元気いっぱい話して下さった。
度々、鼻がみるみる赤くなり、唇をかまれる。
郡山市から大阪へ自主避難をされている。
震災当時5か月の娘と二人で家にいる時に被災。
マンションの各部屋ごとに設置されているエコ給湯器が倒れ、
部屋は、水がみるみるあふれ、膝辺りまで水がたまった。
天井からも階上の水がぽたぽたとこぼれだした。
ほとんどが濡れてしまった中で、何枚かの紙おむつを持って、
子供をおんぶして、向かいの保育所に避難。
幼稚園に行っていた息子とは、5時間後に会う。
仙台に出張していた夫とも再会。
住む家がなくなり、夫の勤務場所の病院へ。
その後、子供たちの事を考え、福島から少しでも遠いところで暮らすことになる。
夫は、福島の病院で仕事を続ける。
森松さんは、自主避難者の、精神的、経済的な悩みを語られた。
子供たちを、放射能からは守ったけれど、父親と別れての生活による精神的な影響は?
二重生活による経済的な苦しさ。
自主避難は、政府からの援助は一切なし。
父親が、家族に会いに来る為の交通費。
自分が声をあげることで、傷を受ける人たちがいること。
父親に対するフォローができない社会。
自主避難者への対応。
個人保護法の事。
等々・・・。
そして、
福島で暮らす、小さい子供を持つお母さんたちの現状。
その人たちの声を代弁したい。
それしか私にはできない。
そう最後に言われた。
森松さんが紹介してくださった絵本。
流れに逆らって泳ぐ人がいた。
家に向かって。そしてとうめいになった。
電車の中、赤ん坊を抱いた人。
遠くへ、ここではない遠くへ逃げたいという。
そして消えた。
森松さん達、避難ママのおちゃべり会が発行した本。
「20年後のあなたへ」
東日本大震災避難ママ体験手記帳
発行 避難ママお茶べり会
2011年3月11日に起こった未曾有の災害で、
避難生活を余儀なくされたお母さんたちの体験記。
とても綺麗で上品な本。
今は幼い子供たちが大きくなった時に読んで欲しい。
「なぜ、父親と離れていたの?」
「原発事故があった時、お母さんはどうしていたの?」
「なぜ、避難を決意したの?」
今しか残せないのでは、という思いから、
葛藤の中、どう決断し、何を学んだか、を残そう。
そう思われ、手記と合わせて
20年後の子供たちに宛てた手紙も書かれています。
1冊500円。どうぞお買い上げください。